夜の「歯ぎしり」と朝の「口の乾き」は要注意
不調のサインを見逃すな。 自律神経はどこまでコントロールできるか?①
朝起きたときに口が乾く
朝起きたときに口がカラカラに乾いている、ということはありませんか? そんなときは、眠っても眠った感じがせず翌日に疲れを持ち越しているはず。なぜなら、寝起きで口が渇いているということは、深い睡眠が得られなかったサインでもあります。
睡眠中には、交感神経の活動が低下します。交感神経の活動が低下し、ぐっすりと深く眠るには脳の温度が下がる必要があります。
実は、睡眠中に鼻呼吸をするのは、脳の温度を下げて睡眠を深くする役割があります。鼻の奥に血管が通っていて、鼻呼吸によってその血管に風が送られて血液の温度が下がります。その温度が下がった血液が脳を回ることで脳の温度が下がる仕組みなのです。
花粉症など、鼻づまりの時期に深く眠れないという経験をされることがあります。これは、鼻づまりによる息苦しさが原因なのではなく、鼻呼吸によって脳の温度が下がらなかったことによるものだということが、研究で明らかになっています。
自分が口呼吸をしているのかを簡単にチェックする方法があります。傷口にガーゼを当てて止めるときに使う、粘着の弱いサージカルテープなどを、口に対して縦に貼って眠ります。
もし、朝目覚めたときにテープがはがれていたら、自分が眠っている間にはがしたということです。眠っている間にはがすということは口呼吸をしている、ということです。
最近、ドラッグストアなどで「口テープ」が売られているのをご存じですか?口にテープを貼って眠ることで、睡眠中の鼻呼吸を誘導するためのグッズです。これらを活用して口呼吸から鼻呼吸に変えることも良いと思います。
根本的には、寝姿勢をしても鼻呼吸ができる道がふさがれないようにすることが必要です。
それには、舌の筋力トレーニングが必要です。
口を閉じたときの舌の位置を確認してみましょう。舌は口を閉じたときに上の歯の裏側に位置するはずです。下の歯や上あごについていたら睡眠中に口呼吸をしている可能性が高いです。
舌の位置を戻すにはまず脳に正しい位置をイメージさせてみましょう。
脳内にあるイメージが下の歯に舌をつけていたら、いくら気を付けてもまた同じ位置に舌をつけてしまいます。
舌は上の歯の裏に置かれているはず、としっかりイメージをつくりましょう。気づいたら舌の位置を戻す。意識的にやってみましょう。